FTC当HPでも度々お伝えしてきましたが、いよいよ4月より高校で金融教育が開始されます。
成人年齢が18歳に引き下げられることによって、『契約』を自ら行えるようになりますので、そういった内容も含まれています。
そして、高校の教員様はすでにご存知かもしれませんが、金融庁より「高校向け 金融経済教育指導教材」が公表されました。
こちらの教材は、実際の授業に使ったり教員様が準備に使ったり、一般の方の学習向けにも公表されています。
細かく教材をダウンロードすることもできますし、ダイジェスト版を見ると内容を把握できますので、まだの方はぜひダウンロードをおすすめします。
金融リテラシーの定義
金融リテラシーという言葉は広く認知されていますが、その定義を知る人は多くないのが現状です。
そもそも金融リテラシーの定義は、OECDの金融教育に関する国際ネットワーク(INFE)が決めました。
その定義とは、
「金融に関する健全な意思決定を行い、究極的には金融面での個人の良い暮らし(well‐being)を達成するために必要な、金融に関する意識、知識、技術、態度及び行動の総体」
と定義されています。
つまり、金融リテラシーはお金に関する知識や判断力ということ。
金融リテラシーに関しては、国際的にも非常に重要な課題となっていて、世界各国では様々な教育が行われています。
金融リテラシーが高いとどうなるのか?
金融リテラシーが高い、つまりお金に関する知識や判断力が高い状態だと、人生にどのような影響があるのでしょうか?
- 家計管理をしっかり行うことができる
- お金を計画的に準備できている
- 借金が無い、もしくは少ない
- 何かあったときのために備えている
- 病気、怪我、リストラなどお金に関して強い
- 詐欺に遭わずに知人等に注意喚起できる
- お金に関してのトラブルが無い、もしくは少ない
- 自分のやりたいことを実現しやすい
- 選択肢がたくさんあり、人生をより良く豊かにすることができる
- etc
などでしょうか。
反対にお金に関する知識や判断力が低い状態だと、上記と反対のことが起きてくるわけです。
日本は先進国であるにも関わらず、世界から見ると金融リテラシーが低いという調査結果も出ていますので、日本の金融リテラシー向上がいかに重要かが分かります。
資産形成ニーズの高まり
少し前から資産形成ニーズが高まりをみせています。
金融庁が「貯蓄から資産形成へ」というスローガンを掲げ、金融サービス仲介業が生まれたこともありますが、NISAやiDeCoといった言葉も今や当たり前になりました。
学校の先生方も資産形成をされている方もいらっしゃると思いますが、ご存知の通り資産は時間を味方につけることでより多くの資産を築くことができます。
これから高校生は学校を卒業したらすぐに成人となりますが、学校やご家庭で金融リテラシーを高めることができると、資産形成を始める時期が早くなるので、金融リテラシー向上の恩恵を大きく受けることができます。
もちろん金融リテラシーは資産形成に限ったことではないですが、人は生まれてから死ぬまで必ずお金が付き纏います。
だからこそお金・経済・金融・社会保障…についてなるべく早いうちから始めることが大事なのです。
お金の話は人生の話
教材は大きく分けて6つ
先にもお伝えした金融庁が公表した「高校向け 金融経済教育指導教材」は、大きく分けて6つカテゴリーに分けられています。
詳しくは金融庁のページをご覧いただくとお分かりになると思いますが、大きく分けて以下のカテゴリーに分けられます。
- 家計管理とライフプランニング
- 使う
- 備える
- 貯める・増やす
- 借りる
- 金融トラブル
です。
簡単に見ていきましょう。
1.家計管理とライフプランニング
家計管理とライフプランニングでは、収入と支出の管理に関して大学生や社会人の違いだったり、生涯の収入と支出について学びます。
また、雇用形態による収入の違いや社会保障制度、福利厚生についても学びます。
それに加え、人生の3大費用(教育・住宅・老後)についても学びます。
2.使う
こちらでは、FTCでも度々取り上げている「ニーズとウォンツ」や、貯蓄を含めた収支管理のポイント、キャッシュレスについて学んでいきます。
3.備える
こちらでは主に「保険」について学んでいきます。保険も社会保険と民間保険がありますので、保険の仕組みや違い・特徴などにも触れています。
こちらの記事もどうぞ▼
4.貯める・増やす
こちらでは資産形成を学びます。投資=詐欺、投資=怖い、というイメージは金融リテラシーの低さの表れでもありますので、生徒はもちろん大人もしっかり学んでおきたい項目です。
ここでは海外では必ず学んでいる「単利と複利」や、「利息と金利」、インフレ等にも触れていますし金融商品を選ぶポイントや主な金融商品についても学びます。
こちらも参考にしてください▼
5.借りる
こちらではお金を借りることについて学びます。
お金を借りる際は金利がかかり、それを含めたお金を返さなくてはなりません。借金は収入の先取りであることや、奨学金、住宅ローン、クレジットカードやリボ払いについても学びます。
こちらもどうぞ▼
6.金融トラブル
こちらでは金融全般でのトラブルについて学びます。特に成人したての18歳は狙われやすくなると思われますので、被害やトラブルに遭わないためにもしっかりと学んでいく必要があります。
契約に関しては、今までは未成年者の契約に関して親権者の同意が無い場合、その契約を取り消すことができましたが、2022年4月以降18歳〜は取り消しができなくなります。
投資に関しての”美味しい話”や訪問販売やマルチ商法などについても学んでいきます。
まとめ
金融庁はもちろん、知るぽると(金融広報中央委員会)も金融に関して様々な情報を発信しています。
今回金融庁は、高校の学習指導要領改訂により当記事でご紹介した教材を公表しましたが、もちろん金融教育は高校だけではありません。
断定はできませんが、今後は小学校や中学校でも金融教育は国を挙げて行われていくでしょう。
今回の金融庁が公表した教材も、小学校や中学校で予備知識を持っている状態で学べると、生徒たちの学習定着率も変わってきます。
FTCでは、高校のみならず、小学校・中学校・大学・海外情報に至るまで様々な金融教育情報を発信して参ります。
お役に立てれば幸いです。
それでは。
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