教育費が無償の国「スウェーデン」が行う金融教育

大学まで教育費が無料の教育大国と言われているスウェーデン。

教育のレベルが高いことでも知られていて、日本と比較しても違いが多くあります。

教育費は税金で賄われているので税金が高いことでも知られていますが、学校の休みが日本と比べて長かったり、夏休みの宿題もないですし、なんといっても学び始める時期が0歳とかなり早いのが特徴です。

教育制度は他にもありますが、そんなスウェーデンはどのようなお金の教育をしているのでしょうか?

早速みていきましょう。

日本で「おこづかい」と聞くと、親から子供に現金を渡すことがほとんどだと思います。

現金のおこづかいを渡して、お金の使い方や考え方などを教えていくことが今は一般的ですが、スウェーデンでは現金を渡すことはほとんどないそうです。

スウェーデンは、2015年に紙幣と硬貨が新しくなったのをキッカケにキャッシュレス化が進み、今では街でも現金を見かけなくなったと言います。

お店ではどこでもクレジットカードが使えますし、むしろクレジットカードでしか支払いを受け付けていないところもあるそうですね。

そんなスウェーデンでは、おこづかいは子供がお金の使い方を学ぶために重要な過程だと認識されており、時代に合った管理がなされています。

その管理というのは、子供用にデビットカードを作ったり、アプリを活用して行っています。

日本でも最近になってデビットカードの利用者が増えていますが、クレジットカードと違い口座直結で即時引き落としなのでお金の管理がしやすいメリットがあります。

また、日本では多くの場合で15歳もしくは16歳でデビットカードを発行できますが、スウェーデンでは小学生でも発行できます。

おこづかいをデビットカード口座に入金し、子供はスマホケースの中にデビットカードを入れて持ってさえいればどこでもお買い物ができて、それを親が把握・管理しているのです。

アプリの登場で貯金箱は過去のものに

毎月決まった日に子供へおこづかいをあげて、子供はもらったおこづかいを貯金箱に入れる….

これもスウェーデンでは過去のものになりつつあるようで、キャッシュレス化が進み現金をみなくなった親世代は、子供におこづかいとして現金を渡すことが減ったといいます。

そして貯金箱の代わりに、貯金額や入出金、どこでいくら使ったかを把握できるような、親子一緒になって活用できるおこづかいアプリを銀行が開発しました。

その名も、「Swish」

スウェーデンの主要銀行11行が共同開発したスマートフォン用の決済アプリケーションで、電話番号や個人情報を紐付けすると、決済や送金も可能となります。

毎月決まった日に決まった額を親の口座から子供の口座へ送金できたり、子供自身もアプリを通じてお金の管理を行い貯金もできる仕組みになっています。

日本のマイナンバーと似たような個人番号を紐づけるので法的拘束力もあり、国民にとって必要不可欠なアプリとなっているようです。

一方でアメリカでも「Greenlight」というお金の教育アプリがあり、アプリやデビットカードを活用した金融教育が今後の主流になっていくと予想されます。

日本でも馴染みのある豚の貯金箱。こうした貯金箱は、今やスマホの中に存在するという時代がやってきたのですね。

働いてお金を得る初めての経験は
小学校低学年

スウェーデンが学校で行っている金融教育は、「みんなのためにみんなでお金を稼ぐこと」を重視しています。

スウェーデンでは、「マイブロンマ(五月の花)」販売プロジェクトというプロジェクトを学校が行っており、これは国を挙げての恒例行事になっています。

このプロジェクトは小学校低学年で行われ、決まった数のピンやバッジが支給され、近所の家を回ったりスーパーの前に立って販売し、売上の1割を子供が受け取り、残りが「マイブロンマ協会」によって貧しい家庭の子どもたちのために運用されます。

この活動は子どもたち自身が貧しい家庭の子どもたちのためにお金を集める活動で、1907年以来行われているそうで、国を挙げての恒例行事になっています。

こうした「みんなのためにみんなでお金を稼ぐこと」は、小学校から高校まで行われているそうで、興味深いのは、「みんなで楽しいことしたい」と思って行事を企画したとき、その行事に必要なお金を1人ずつ現金を徴収・集金するのではなく、みんなで働いて必要なお金を得るという活動をすることです。

みんなで働いてお金を得るための活動は様々あるようで、月一回家で焼いたクッキーを販売したり、親が参加する行事で親のためになにかを販売してそれを楽しんだり、こうした活動によって資金をみんなで稼いでいくのです。

日本でイメージすると、「高校のクラスのみんなで卒業旅行に行きたいから、学園祭やその他行事でその旅費をみんなで稼ごう!」といったイメージです。

今の日本とは違った考え方で教育においてもとても興味深いですね。

まとめ

日本の金融教育において、小学校低学年くらいの子供が学校行事の一環で実際にお金を稼ぐ取り組みはあまり見かけません。

中学校や高校においては、こうした経済活動を行っている学校もありますが、早い段階から「何かの目的を達成するために必要なお金は自分たちで稼ぐ」取り組みを行えば、お金について家庭内でコミュニケーションを交わす機会が増え、仕事や将来のこと、経済について興味を持って主体的に考えられる大人に育っていくのだと感じます。

いずれにせよ、お金についての知識や考え方は、主体的に考え動いていくことで身に付けられると考えられます。

視野を広げてみると、今回のスウェーデンのように「なるほど、そういう考え方もあるか」と考え方や価値観に触れることができるのでとても面白いです。

次回以降も色々な視点からお届けします。

私たちFTCが発信する情報が教員様の金融教育にお役に立てれば幸いです。

それでは。

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