もしクラスの児童から、「昨日パパママからおこづかい500円もらいました!」と言われたら、どう教育していくべきでしょうか。
クラスに30人の児童がいるとすれば、30の家族がいることになり、おこづかいの渡し方や考え方も家族によって異なってきます。
潤沢なおこづかいを渡す家族もいれば、そもそもおこづかいを渡していない、渡せない家族もありますので注意が必要ですが、おこづかいに対しての考え方や使い方を教えるのは、大人になってからの金銭感覚に影響します。
今回の記事では、小学校の教育現場で「昨日パパママからおこづかい500円もらいました!」と言われたら、どう教育していくべきかをお伝えしようと思います。
おこづかいの使い方を想像する
おこづかいをもらったら、そのおこづかいの使い方を想像させてあげることが大切です。
使い方といっても幅が広く選択肢も多くありますよね。
あればある程使っていては、いずれお金はゼロになりますし、逆に貯金一択になるといざというときにお金を使う勇気が出ないこともあります。
お金を使うことも大事ですし貯金することも大事なので、大人になると支出の管理を行いうまくコントロールすると思いますが、子どもはまだコントロールができません。
大人になってうまくコントロールできるように小学生の早い段階からお金の使い方や扱い方を家庭・学校で教えていく必要があるのです。
お金は人生において必要不可欠なツールです。
使い方や扱い方を間違えてしまうとお金に困った人生を送ることになってしまいかねません。
それを回避するためにも豊かな人生を送るためにも、お金の使い方を具体的に想像させてあげることはとても有効と言えます。
お金の使い方を想像する際には、
- 買う
- 貯金する
- 誰かに預ける
この3つを軸に考えるといいでしょう。
お金の使い方:「買う」
好奇心旺盛な小学生くらいの子どもであれば、買いたいものはたくさんあると思います。
おもちゃ屋さんに行けば色んなおもちゃがありますし、文房具屋さんに行けば消しゴムや鉛筆・ボールペンなどたくさんあります。駄菓子屋さんも美味しそうなお菓子がたくさん並んでますね。
これは大人にも当てはまりますが、買うという行為は「必要だから」と「欲しいから」の2つの目的があります。これを「ニーズとウォンツ」と言います。
子どもがお小遣いの500円を握りしめ、勉強に必要な「鉛筆」と「消しゴム」を買いに文房具屋さんに行ったとします。
その文房具屋さんには、アニメのキャラクターが入ったカッコいいボールペンがあったり、可愛いメモ帳もあります。
そこで、勉強に必要な「鉛筆」と「消しゴム」を買いにきたのに、欲しいと思ったカッコいいボールペンや可愛いメモ帳買ってきたらどうでしょうか?
子どもは必要なものを買わずに、欲しいものを買ったことになりますね。勉強に必要な鉛筆と消しゴムを買えてないので、その後のことは容易に想像できると思います。
お金の使い方として、必要なものを買わずに衝動的あるいは欲望的に欲しいと思ったものを買ったときの心情や前後の影響を例として出してあげると、子どもも想像がしやすいのでいくつかストーリーを作って教えると効果的です。
お金の使い方:「貯金する」
もらったおこづかいをどう使っていくのか、お金は計画的に扱うことを教えます。
ニーズとウォンツで、欲しいものがあればどうすればそれを買えるのか?を考え、買ったあとの貯金額がどう変化するのかを例を出して教えるといいでしょう。
当然ですが、お金は使ったら無くなります。
毎月500円のおこづかいだとして2000円の欲しいものを買いたいとすると、2000円を貯めるには4ヶ月必要です。4ヶ月後に2000円の欲しいものを買ったら、2000円は無くなり手元は0円になりますね。
4ヶ月一生懸命がんばって貯めた2000円ですから、いざ買うとなったらもしかしたら「もったいない」と思うかもしれません。あるいはがんばって貯めたお金で買った達成感で、無駄使いはやめて「貯金しよう」と思うかもしれません。
貯金はお金を計画的に使う上で取り入れたい方法ですので、ニーズとウォンツを含めながら想像を掻き立て具体的にイメージをさせてあげることが大事です。
お金の使い方:「誰かに預ける」
「貯金」とも似ていますが、お金を計画的に使う上で、誰かに預けることも有効です。
大人になれば大切なお金は銀行に預けていますが、おこづかいは子どもにとっても大切なお金です。
大切なお金を守るため、無駄使いしないためにも誰かにお金を預けるのも大切なことだと思います。
ここでの「誰かに」とは親もしくは銀行ですね。
並行しておこづかい帳を使って「誰(親or銀行)」に「いくら」預けているのかを親子で共有します。
子ども名義で銀行口座を作りそこで貯金等をする場合は、引き出す際の手数料に注意しましょう。
海外では銀行口座やアプリを使ったおこづかい管理も一般的になっていますが、日本ではまだ進んでいないため一つの例として参考にしておくといいでしょう。
アメリカではデビットカードを活用していますし、スウェーデンでは小学校低学年でお金を稼ぐ経験をします。
まとめ
小学生の子どもにお金の使い方に関して当事者意識を持ってもらうのは簡単ではないかもしれません。
だからこそ実際にお金を使う場面を想定したストーリーを作ったり、「これはこういうもの」と頭ごなしに教えるのではなく、子どもに自由に考えさせてあげることが大事かと思います。
自由に考えるからこそ、教員様自身も想定されることに答えられるよう準備をしておく必要があります。
また、子どもの数だけ家庭環境があり全て異なるので、注意しつつの教育が大事です。
参考になれば幸いです。
それでは。