経済の見方を教える第一歩

今回は中学生に教える経済の見方の第一歩について触れていきます。

中学生へお金について教える際にどこから教えるべきか?教員の方も中々イメージがつかないこともあるのではないかと思います。

中学生に教える際にどこをポイントとして教えるべきか、その一つをこれから見ていきましょう。

需要と供給を教える

経済というものを教える際に第一に触れるべきポイントは『需要・供給』です。

需要(国内消費)とは、ある商品を買おうとすること。
供給(国内生産)とは、ある商品を売ろうとすること。

商品やサービスを売ったり買ったりすることが市場でおこなわれていることを市場経済と言います。

市場経済で、個人は自由に売りたいものを売り、買いたいものを買える。これを経済活動の自由と言います。

こちらの記事でも需要と供給について触れています↓

ここで結論として『市場経済は需要と供給から生まれ、需要と供給が市場で価格が決まる』という事です。

需要と供給に関して法則があります。

  • 値段が高いと買い手は少ない
  • 値段が安いと買い手は多い
  • 値段が高いと売り手は多い
  • 値段が安いと売り手は少ない

更に、

  • 売れ残れば値段は下がる
  • 品不足なら値段は上がる

という法則も導き出すことができます。

たくさんのモノ・サービスが提供されているのに対し、それを「買いたい」と思う人(あるいは買える人)が少ない状態ということは需要が少なくてなかなかモノ・サービスが売れず、余ってしまう状態がずっと続いている状態です。

これは結果として、工場や働いている人々が余ってしまい、もう少し生産を減らしましょう、雇う人数を減らしましょう、となって、経済が縮小する状態が長年続いてしまいます。

日本経済はこの状態に近いです。

単に不景気。。。ではなく不景気とはなにか?どういう状態が不景気な状態なのか?

中学生でも経済の見方を教える上で需要と供給は大切なポイントです。

GDP(国内総生産)を知ろう

経済を見る上で需要と供給の他にGDP(国内総生産)は必ず触れるべき部分です。

GDPとは「Gross Domestic Product」の略語で国内総生産を表します。

中学生にも分かるように下記のように教えると良いです。

Gross(グロス)というのは「総」「合計」という意味です。
Domestic(ドメスティック)は「国内」という意味です。
Product(プロダクト)は「生産」「うみだされたもの」という意味です。

GDPって何?と中学生に聞かれ教える際は簡単に分かりやすく答える場合、日本国内で生み出された「もうけ」の合計だよ。と答えてあげてください。

例えばあなたがスポーツシューズを3000円で買いました。 スポーツショップはそのスポーツシューズを売るために、シューズを作っている人からシューズを買ったり、お店で販売する場合は家賃がかかったりします。例えばそれが1足あたり1000円かかりました。

スポーツショップの「もうけ」は2000円です。(3000円-1000円)

スポーツショップはこの2000円の中から働いている人にお給料をはらいます。
そしてあなたがコンビニでジュースを150円で買いました。
コンビニはそのジュースを売るために、50円かかっています。
コンビニの「もうけ」は100円です。

もし日本に、上のスポーツショップとコンビニしかなければ、GDPは 2000円+100円の「2100円」です。

このようにGDPは難しい様で分かりやすく中学生にも教えることができます。

さて、GDPは国の経済力を計る物差しの一つであり、日本はアメリカ、中国に次ぐ第三位となっています。

下記はIMF(国際通貨基金)が発表している2022年現在の世界各国のGDPになります。
https://www.imf.org/external/datamapper/NGDPD@WEO/OEMDC/ADVEC/WEOWORLD/RUS?year=2022
引用:IMF(国際通貨基金)

補足としましてGDPには2種類あります。

単純に価値の総額で算出した「名目GDP」と、名目GDPから物価変動の影響を取り除いて算出した「実質GDP」があります。

名目GDPはその時点の経済規模を知るのに適していて、実質GDPは成長の度合いを時系列で比較するのに適しているのでどこを見ていきたいかによって変わります。

GDPは国内の経済活動によるものなので、人口が多い国ほどGDPは高くなりやすいです。

そこでGDPについて議論するときは、一人当たりのGDPに注目することが大切になります。

日本の2021年一人当たりのGDPは40,704ドルで、世界24位です。
世界第一位のルクセンブルク131,301ドルと比較すると1/3以下となっています。
日本は、先進国のグループに入っているものの、世界における地位は非常に低くなっています。

日本経済を見る上でGDPは切っても切り離せないものです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

中学生へ経済の見方を教える際、まずどんなところに触れていけば良いのかについて理解を深めて頂けたでしょうか?

中学生ともなるとお金に触れる機会も多くなります。

自分がお金を使うことでどう経済に結びついているのかを知る為に経済の見方を分かりやすく教えていく事は大切になります。

経済に興味を持ってもらえるように教えていきましょう。

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