高校生で知っておきたい政治とお金の話

日本では、高校卒業になる18歳から選挙権が与えられます。

そのため高校生の頃から政治に関心を持つことが非常に重要です。

しかし選挙に参加するためには政治と私たちの生活への繋がりについてリテラシーを高め、投票することの意味を知る必要があります。

今回は高校生で知っておきたい政治とお金の話について見ていきます。

どんどん貧しくなる日本の現状

2016年6月より選挙権年齢が20歳から18歳へと引き下げられました。

かつては21歳選挙権を採用している国が世界的に多かったのですが、1970年前後に各国で18歳選挙権を採用する国が増えたことや、国会の中で「現時点(2007年)で世界の186ヶ国中、162ヶ国で18歳選挙権が保障」などの発言があったことがきっかけで変更されました。

しかし、日本においては10代~30代の投票率が50%以下となっており、先進国の中でも圧倒的に投票率が低いことが課題になっています。

日本経済を導くリーダーをみんなで選ぶのが選挙ですが、日本の未来を担う若者が政治に参加していない、あるいは消極的になっていることは非常に問題です。

では、若者が積極的に政治に参加しないことで具体的にどのような問題に繋がるのでしょうか?

日本の公職選挙法では、高齢者層であろうと若年者層であろうと1票の重みは同じです。

当たり前の話ですが、政治家が選挙で勝つためにはできるだけ多くの票を集める必要がありますので、投票率が高く人口の多い年齢層の人たちに受け入れられやすいマニュフェストを掲げて選挙活動をします。

そして当選された政治家はマニュフェスト通りに政策を進めます(実際はそうならない場合がおおいのでそれも問題ですが)ので、今の国会で審議されている国家予算や政策などは政治家を選ぶ人数の多い年齢層の意見に偏っているということになります。

国のお金は何に使われているのか?

国家予算とは、国の収入(歳入)を1年間で何に使うか(歳出)について国会で話し合われたもののことで、これに基づいて実際にお金が使われます。

2021年度の国民負担率(税金や社会保障費などを国民が負担する割合)は48.0%となっていますので、私たちの使えるお金のうち約半分が歳入へ回っていることを考えると、政治に積極的に関心をもつことがいかに重要であることなのか分かります。

財務省が出している令和3年度の歳入(国の収入)と歳出(国の支出)の内訳を見てみましょう。

歳入において公債金とは、国が債権を発行してお金を借りることによって得られた収入のことです。

令和2年度と令和3年度は新型コロナウイルスの影響で公債金の割合が大きくなっていますが、いずれは返していかなければならないお金ですので、実質的には国民や企業から集めた租税や社会保険料が財源になっています。

次に注目したいのが歳出における「社会保障」と「文教及び科学振興」です。

社会保障の多くは年金や医療、介護など社会福祉のために使用されます。日本は少子高齢化社会なのでどうしても子育て世代への社会保障に比べて高齢者への社会保障に対する割合が大きくなってしまいます。

10代~30代の結婚・子育て世代が十分な社会保障を受けられないと必然的に晩婚化や少子化が進んでしまいますが、この世代の人たちの投票率が低いため十分な社会保障制度が整備されないという問題が起こっているのです。

また、「文教及び科学振興」における教育費の割合が先進国の中でも低いことも問題視されています。

国の未来を担う若い世代が新しい技術や知識を学ぼうと思っても、教育資金の援助が国から受けられていないことも問題視されています。日本は過去30年間賃金が上昇していないと言われていますが、国際競争力を失ってしまうのはある意味必然です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は高校生で知っておきたい政治とお金の話について見ていきました。

国や市町村の社会保障制度を活用すればより豊かな生活を送ることができますが、そのためには積極的に情報を取りに行くことが大切です。

また、投票へ行くことで私たちのお金が何に使われているのか関心を持つことも大切です。

税金や社会保障費も私たちが有効活用すべき大切なお金ですので、金融教育を通してより豊かな日本を築いていきたいものですね。

それでは!

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