大学生は社会人となる一歩前の段階です。一人暮らしを始める方も多く、アルバイトを経験される方も多いと思いますが、高校生の時より社会に出る機会も多くなります。
大学生という期間は、ワクワクのキャンパスライフの中で初めて見る景色やサークル友達との交流などの「大学生ならではの楽しさ」を満喫できる時期でもあり、一方で高い大学賃金を払い、より高度で専門的な教育を受け、社会に出て活躍するために様々な経験や有効な知識・スキル・資格を取得する期間でもあります。
奨学金を受けて大学に通う方、自分で学費を出す方、仕送りを受ける方、それぞれいらっしゃると思いますが、多くの方がアルバイトで自分でお金を稼ぐ過程を経験し、就職する方も起業する方も、これからの人生について深く考える時期になるかと思います。
人は生まれてから死ぬまで常にお金がつきまといます。
特に大学生は学生から社会人になる人生でも大きなターニングポイントになりますので、社会人として自立できる能力を身に付ける必要があるのです。
大学生になるとお金についての聞いたことがないようなワードを耳にすることや経験をすることが多くなります。
例えば、「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」は多くの方にとって馴染みがある書類ですね。
また、大学生で自動車を購入する方もいらっしゃるかと思いますが、その時は「ローン」もしくは「キャッシュ一括」を経験します。
奨学金を借りている方なら返済計画もあります。
大学生になってクレジットカードを作る場合は、「リボ払いは絶対ダメだ」と教えなければいけません。
社会人として自立する能力を身に付ける時期として、お金周りの知識は必要不可欠になります。
大学生に必要な金融知識・人生設計
大学生で身に付けるべき金融知識や人生設計は、高校生に比べてより高度になり具体的になります。
- 家計管理
- 生活設計
- 金融取引の基本
- 金融商品
- 保険商品
- ローン・クレジット
- 資産形成
- …etc
どれも社会人になる上で身につけなければならない要素です。
家計管理
収入と支出の管理の必要性を理解して、必要に応じてアルバイト等で収支改善をしつつ、自分の能力向上のための支出を計画的に行える状態
生活設計
仕事・夢や目標等のライフプランを具体的に作成し、その実現に向けて学びやトレーニングを行なっている状態で、人生の3大資金(住宅費・教育費・老後資金)等を念頭に置きながら、現実的な生活の収支イメージを持てている
金融取引の基本
適切な消費行動をすることができる状態
金融商品を含む様々な販売・勧誘行為に適用される法令や制度を理解していて、契約締結に関する詳細を確認し、慎重で適切な対応を行うことができる状態
インターネット上の間違った情報やトラブル、詐欺など悪質な者に狙われないよう慎重な契約ができる状態
金融商品
金融商品の3つの特性(流動性・安全性・収益性)と、リスクとリターンの関係についてや、貯蓄と投資の違い、投資と投機の違いなど資産形成や運用についての基本理解ができている
お金や金融の働きについて中央銀行の役割を理解し、金利変動やクレジットカードや電子マネーなどの決済手段の違いについて理解できている
インフレ・デフレをはじめとした経済動向や政策・把握を行える
保険商品
ケガ、死亡、病気、交通事故、火災、地震などの基本リスクを理解し、コントロールできる状態
各保険分野の種類を理解し適切に選択することができ、年金や社会保険制度(医療保険、労災保険等)の概要を理解している
貯蓄性保険があることを理解し、自分にあった保障を選べる状態
ローン・クレジット
住宅資金等の借入れには信用が重要であることも考慮のうえ、ライフプランについて考えている
住宅ローンとカードローン等は全く質が異なることを理解している
借り入れには金利が必要であることを理解し、金利を理解し適切にローンを組むことができる
クレジットカードの利用は借金の一部であると理解し、リボルビング払いについては選択しないようにしている
奨学金の返済計画を立てることができて、遅延した場合の影響を理解している
資産形成
人生設計の中で、どのように資産形成をしていくかを考えることができる
それぞれの金融商品の特徴、リスクとリターンを理解し、資産形成・運用を行うことができる
ドルコスト平均法・単利複利を理解し、目標に対し長期的な計画を立てることができる
上記の内容は一部となりますが、ざっと書き出してみました。
お金が必要となる機会が多くなる大学生は、少なくとも上記の内容は習得すべきだと考えます。なぜなら社会人になる上で経済活動についての理解や生きていく上で必要なことだからですね。
まとめ
先進国と言われている国と日本を比較したとき、残念ながら日本の金融リテラシーは先進国の中で最下位に近い位置にいます。
上記でまとめた内容も、実はアメリカでは高校生が学んでいる内容です。
2022年から高校で始まる金融教育も、上記で挙げた事柄の概要を教育するでしょう。
文字にすると難しい雰囲気がありますが、日常の生活でも密接に関係していることもありますので、各ご家庭で金融リテラシー向上の取り組みをすることは、家系が豊かになっていくのと同義ですので、ぜひ取り組んでみましょう。