幸福度ランキング第1位 フィンランドの金融教育

毎年3月に国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)が発表している世界幸福度ランキング。150か国以上を対象に2012年から毎年実施されています。

評価の基準は、

  1. 一人当たり国内総生産(GDP)
  2. 社会保障制度などの社会的支援
  3. 健康寿命
  4. 人生の自由度
  5. 他者への寛容さ
  6. 国への信頼度

の6項目となっており、日本は2021年度が56位、2020年度はさらに低い62位で、G7の中では最下位です。

健康寿命に関しては非常に評価の高い日本ですが、総合順位が低くなっている理由は、「人生の自由度」と「他者への寛容さ」の主観的な評価が低くなってしまっているためです。

日本人はよく「働きすぎ」と言われています。欧米諸国に比べ長期休暇が取りにくい、自分のペースに合った働き方が選択できない、といった不満が少なくありません。

また、日本人はコミュニケーションに課題を抱える人が多く、他者への寛容さに欠けるところがあります。集団の和を重んじるため、本音と建て前を使い分けたり、上司と部下の上下関係が厳しかったりで欧米人に比べ自己主張しにくい風潮があります。

その結果、多様性を受け入れられない、他者への寛容さの低い国民となってしまっているのかもしれません。

では、2018年から4年連続で幸福度ランキング世界第1位のフィンランドはどうなのでしょうか?

今回はフィンランドのお金に対する教育や文化から学ぶことで、日本人に足りない「人生の自由度」と「他者への寛容さ」への課題を解決するヒントを考えてみましょう。

フィンランドの金融教育は、教科や科目の枠にとらわれずに教材を展開する教科横断型の授業スタイルで20年以上の歴史があります。

金融教育は、フィンランドの基礎教育(1~9年生)すべての科目にリンクされている横断的な能力である、「労働生活能力と起業家精神」の一部としてとらえられています。

社会的および経済的に主体性を発揮し、個人的な財政管理ができる能力を有することをゴールとしています。

参考:https://www.oecd-ilibrary.org/education/pisa-2018-results-volume-iv_48ebd1ba-en

フィンランドと日本の教育制度の違い

日本とフィンランドの教育に対する違いは、大きく2つです。

1つは、教育予算の国家支出の割合が日本の約2倍であること(2020年度フィンランド:5.4%、日本:2.9%)。

大学の学費は国からの助成金によっておよそ半額となっており、公的機関と民間企業が連携した実践的な教育環境が整っています。また、教育の質の確保のため、教員になるためには修士号(大学院を卒業するともらえる資格)が必須となっています。

2つ目は、職業教育の充足です。前項でも上げたように「金融と起業家精神の育成」が基礎教育課程に盛り込まれており、高等学校においては普通科高校と職業高校の比率が45%:55%となっています。(日本の職業高校比率は23%)。

また、誰でも受講可能な社会人を教育する教育機関がほぼすべての自治体に設置されており、成人の48%が利用しています。

日本の金融教育の課題

日本では2022年度から高校の家庭科にて金融教育がスタートします。

金融教育が行われる機会が少なかった日本の金融リテラシーは世界と比べどうなのでしょうか?

2020年に日本銀行が行った講演『金融リテラシー~人生を豊かにする「お金」の知恵~東京証券取引所主催セミナー』では、OECDが実施した調査結果に基づいて日本の金融教育の課題を挙げています。

OECD加盟国30か国を対象に行われた金融リテラシー調査において日本は22位となっており、低い順位となっています(フィンランドは総合1位)。

日本もフィンランドの教育制度のように予算をかけて人材育成と教育環境の整備に注力し、公的機関と民間企業が協力して金融リテラシーを向上させることが必要なのかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は教育大国フィンランドから学ぶ金融教育の日本との違いについて触れていきました。

日本においても2022年度より金融教育がスタートしますが、学校に限定することなく、家庭や企業、自治体なども含め社会全体で金融リテラシーを向上させることが必要なのかもしれません。

お金の話は人生の話。フィンランドのようにお金の教育を通して一人一人が主体性を発揮し、幸福な社会になっていくと良いですね。

それでは。

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