小学生で知っておきたいお金の価値について

日本ではお金の教育が2022年4月から高校の家庭科の授業の中で行われますが、海外では小学生の頃から金融教育があります。

お金は一生使い続けるものですので、お金の本質を小さい頃から知っておくことはとても大切なことです。

日本では金融教育を受ける機会がほとんどありませんでしたので、お金の価値について考えることが無いまま社会人になっている人がほとんどです。

お金の価値を知ることで、生きていく上で必要な教養が身に付きます。

今回はそんな知っているようで知らない、お金の価値について見ていきましょう。

そもそもお金とは何か?

今さらですが、お金とは何でしょうか?

気づいた時には当たり前のように使っているお金ですが、そのルーツは紀元前までさかのぼります。

諸説ありますが、最初のお金は紀元前3500年頃のメソポタミア文明で生まれたと言われています。

それ以前は物々交換による取引が主流でしたが、お金が存在しない時代の取引は、現代に比べいろいろと問題がありました。

例えば、お肉と木の実を交換するときにお肉100gと木の実100gでは価値が同じではありません。お肉は木の実に比べ、味がおいしく栄養も豊富ですが、一度に取れる量が限られており、鮮度も短いので保存ができません。

木の実は保存できる期間が長いですが、種類によっては収穫できる時期が限られているため、いつでもお肉と交換できるわけではありません。

このような問題を解決するためにお金が生まれました。当時のお金は石や貝殻を使い、大きさによって交換できる物の量や質が決められていました。

そこから時代を経てお金として使われるものが変化し、現代では電子マネーや暗号通貨など様々な種類の通貨が生まれています。

お金の価値はどうやって決まる?

さて、現代におけるお金には一般的に3つの機能があると言われています。

  1.  価値尺度・・・商品価値を図るためのものさし
  2.  流通(決済)手段・・・売り手と買い手の間で物やサービスを流通させる手段
  3.  価値貯蔵・・・財産を貯蔵するための手段

この3つの機能を満たすものがお金として用いられているわけですが、前項でも触れたように現代では法定通貨(円やドル、ユーロ、ポンドなど)の他にも、金や株式・債権、電子マネーや暗号資産など様々なものがお金として使用されています。

つまり、物質的には価値のない紙切れや電子情報などがお金として価値を持ち、取引に使用されているのです。

では、お金の価値はどのようにして決まるのでしょうか?

答えは「信用力」です。

もう少し分かりやすく分解すると、物やサービス(場合によってはお金どうし)と交換する際に、世間から確かだと信頼されている評価によってお金の価値は決まります。

ここで言う世間とは、世界中で暮らしている人々のことですので、お金の価値を決めているのは政治家や中央政府などではなく、暮らしを営む私たち全員と言えます。

例えば、世界が100人の村だったらと仮定して考えてみましょう。

この村では初め、りんごが1個100円で村人全員から毎日1個ずつ買われていました(100円×100個=10,000円の市場価値)。

しかしある年、不作によってりんごが1日90個しか生産できなくなってしまいました。

村人100人がりんごを買いたいという需要に対し、供給できるりんごの数が90個しかないため、毎日100円で取引されていたりんごの市場価格が値上がります(10,000円÷90個≒111円)。

お金の価値

このりんごの事例のように、物やサービスの価格は需要と供給のバランスによって変動します。

実はお金も同じような関係があります。日本の基軸通貨は円ですが、円を欲しいと思う人が多ければ円の需要が増え、価値が上がります。逆に円を欲しいと思う人が少なくなれば需要が減るため、円の価値が下がります。

つまり、お金の価値は交換する物やサービスの需要と供給のバランスによって決まると言っても過言ではありません。

世界中でお金の流通量は少しずつ増えていますので、金や不動産、エネルギー資源、宝石類などのように人々の需要に対して供給できるものの量が限られている場合、一般的には価格が上昇していきます。

お金の価値は下がっていく?

一般的に国が豊かになると人口が増え、物やサービスの供給量が増え、お金の流通量も増えていきます。

日本は戦後60年代~高度経済成長期を迎え、その後バブル崩壊とともに経済成長が鈍化していきました。

しかし、世界中では今まさに高度経済成長期を迎えている国や地域が多く存在し、様々な物やサービスの供給量が増え、お金の流通量も増えています。

前項でも触れたように、お金の量が増えると物の価値は相対的に上がります。

例えば銀座の土地1坪当たりの価格の歴史を見るとお金の価値の低下は顕著です。

※「明治・大正・昭和・平成・令和 値段史」を参考に作成

たった100年間で土地の価格は21万倍になっています。

当時の平均年収が約600円(現在は約450万円)ですので、当時の1坪1000円が手の届かない金額だったかというとそうでもありません。

つまり当時に比べ、100年間で大きくお金の価値が下がった(土地の価値が上がった)結果と言えるのではないでしょうか?

まとめ

いかがだったでしょうか?今回は小学生で知っておきたいお金の価値について見ていきました。

100年前に比べ、お金の価値や物の値段が大きく変わっているのはとても衝撃的ですね。

小学生の頃からお金の価値に対する教養が身についていると、買い物するときの判断力が大きく身に付き、ムダ遣いを減らすことにも繋がります。

この機会に、お小遣いの使い方や貯金に対する考え方を親子で一緒に考えてみてはいかがでしょうか?

それでは。

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