イギリスの金融教育

MasterCard社によるアジア/太平洋地域の財務リテラシー指標調査によると、日本の金融リテラシーは14カ国中14位と最下位となっています。

先進国の中でも日本の金融リテラシーは低い位置になっている中、ようやく来年2022年4月から高校の家庭科の授業において資産形成をはじめとした金融教育が始まります。以下が新学習指導要領からの抜粋です。

  • 経済計画
    各ライフステージの特徴と課題、家族構成や収入・支出の変化、生涯の賃金や働き方、社会保障制度などと関連付けながら考えることができるようにする。また、将来を見通して、事故や病気、失業、災害などの不可避的なリスクや、年金生活へのリスクに備えた経済的準備としての資金計画を具体的な事例を通して考察できるようにする。
  • 金融商品、資産形成
    預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット、デメリット)、資産形成の視点にも触れるようにする。

高等学校学習指導要領解説 家庭編

日本が来年2022年から高校で始まる一方で、金融先進国と言われる国では、小さい頃から金融教育が行われています。

金融教育の先進国であるアメリカでは州ごとに決まっていますが、個人主義の世の中においても子供にお金について学ばせることは当然との理解があり、パーソナルファイナンスと呼ばれる個人のお金や計画や管理に注力しています。

また当分使う予定のないお金に関しては、どのような状態にしておけば効率的で良いかや、現金や預金で持つ場合と、株や投資信託で持つ場合はどちらが有利かなどを学んでいます。

今回の記事では、アメリカと同じく金融教育の先進国と言われているイギリスにおいての金融教育を簡単にご紹介します。

参考になれば幸いです。

イギリスでは小学校から金融教育を行っている

日本でも馴染みのあるNISAやジュニアNISAは、イギリスのISA制度がモデルになっています。

ISAは1999年に始まり、ジュニアISAは2011年に始まりました。日本はこれをモデルにしてイギリスに遅れること2018年にNISA制度がスタートしましたね。

結論からお伝えすると、イギリスではなんと3歳から金融教育のフレームワークがあります。

こちらがイギリスの金融教育に関するフレームワークになりますが、3歳から金融教育が行われていることが分かりますね。

表だと少し分かりにくいと思いますが、イギリスにおける金融教育は、4つのフレームワークから成り立っています。

  1. お金の管理の仕方
  2. 批判的な思考のできる消費者になる
  3. リスクと感情の管理
  4. 金融が人々の生活で果たす役割

以下でStage毎の特徴を見ていきましょう。

ErarlyYearsFoundation Stage
3〜5歳段階

コイン・ポンド・価格・支払い・お釣り・貯金箱・財布・銀行・消費者・貯蓄・店・購入・販売・価値…etc

  1. お金の管理の仕方
    「お金の認識」「お金の使い方」
  2. 批判的な思考のできる消費者になる
    「商品の選択と支払」
  3. リスクと感情の管理
    「お金を安全に保つ」「お金に関わる情報」
  4. 金融が人々の生活で果たす役割

Key Stage 1
5〜7歳段階

銀行・住宅金融組合・ATM・宝くじ・郵便局・選択・お小遣い・ニーズとウォンツ・消費…etc

  1. お金の管理の仕方
    「お金の価値と利用上の注意」「お金の記録の重要性」
  2. 批判的な思考のできる消費者になる
    「お金の使い道の選択」「ニーズとウォンツを考える」
  3. リスクと感情の管理
    「お金を無くしたり盗られたりしたら」「貯蓄とその効果」
  4. 金融が人々の生活で果たす役割
    「お金をどこから得るのか」

Key Stage 2
7〜9歳段階

より高価なもの・より安価なもの・予算・領収書・収益・賃金・給与・借りる・借金・価値・口座管理…etc

  1. お金の管理の仕方
    「現金のみが支払いではないこと」「簡単なお金の記録と予算」
  2. 批判的な思考のできる消費者になる
    「人々の消費と貯蓄」「選択の影響」「お金の価値」
  3. リスクと感情の管理
    「預金口座」「お金の貸し借り」
  4. 金融が人々の生活で果たす役割
    「人々の仕事と職業」「チャリティの役割」

Key Stage 3
9〜11歳段階

クレジットカード・デビットカード・経費・控除・損失・リスクとリターン・税金・保険・ギャンブル・通貨…etc

  1. お金の管理の仕方
    「信用と負債」「公的な記録システムと簡単な家計管理」「外貨通貨」
  2. 批判的な思考のできる消費者になる
    「他人やメディアの影響」「お金の価値に見合った情報の活用」「費用・価格・利益の違い」
  3. リスクと感情の管理
    「インターネット詐欺の対策」「信用・債務・借入・貯蓄の違い」「保険による保障」
  4. 金融が人々の生活で果たす役割
    「学習と仕事・将来の経済的豊かさとの関係」「より広範なグローバルなコミュニティ」「退職後の必要なお金」

以上が各Stageの特徴でしたが、正直なところ、現状日本でここまでの教育をしている教育機関はほとんどないのではないでしょうか。

また、3歳からの金融教育となると家庭での取り組みが必要不可欠となるため、家庭内でもお金に関する会話は頻繁に行われます。

学校に教育を任せるのではなく、家庭内や日々の生活の中にこそ具体的に教えられる事例がたくさんありますので、将来お金に困らない大人に成長してもらうためにも、親御さまのリテラシー向上が必要不可欠になりますね。

まとめ

今回はイギリスの金融教育について簡単に見ていきました。

日本とは随分違いますね。

イギリスの子供は、11歳までに老後に必要なお金についてまで基本的なところを学んでいます。

いかに早くお金について知識や考え方を身につけていくかが、大人になってからの人生を左右すると言っても過言ではないでしょう。

日本の教育機関やご家庭でも、小さい頃からお金について学んでいくことが当たり前になる世の中になれば、ハッピーになる人が増えていくのだと思います。

参考になれば幸いです。
それでは。

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